私は、令和3年度の特級技能検定の試験を受験し、合格することができました。
もらった賞状がこちらです。
私が受験したのは機械加工職種ですが、学科試験においては共通問題が7割ですので、
他の職種で受験される人にも参考になると思います。
私は勉強する際に、過去問に取り組む時間を長くとっていました。
なぜそうして勉強していたかなど、勉強法などを書いていきます。
仕事をしながらの勉強になり忙しい人も多いと思いますので、勉強方法のところだけ見ていかれても大丈夫です。
- 技能検定について調べている人
- 特級技能検定を受験しようとしている人
- 特級技能検定の勉強方法やテキストを探している人
- 受験の際のコツや注意点を知りたい人
現在販売されている問題集を更新しました!
1.技能検定とは?
技能検定とは何だろう?まず技能検定について調べてみるよ。
技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」です。技能検定は、技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づき実施されています。
引用元:中央職業能力開発協会(JAVADA)より
中央職業能力開発協会(JAVADA)のホームページに、上記のように書かれていました。
技能検定とは、中央職業開発能力協会(JAVADA)が取り纏めを行う検定で、
働く人々の技能、知識レベルを国として証明する国家検定制度ということです。
技能検定に合格していれば、どの程度の技能、知識レベルにあるかを社会一般的に信用を得られることができます。
技能検定にも等級があり、そのレベルが区分けされているものもあります。
特級技能検定とは?
先ほど述べたように、技能検定にも等級がありそのレベルが区分されています。
それではまた中央職業開発能力協会(JAVADA)のホームページを見てみましょう。
技能検定には、現在、特級、1級、2級、3級に区分するもの、単一等級として等級を区分しないものがあります。それぞれの試験の程度は次のとおりです。
引用元:中央職業開発能力協会(JAVADA)より
特 級・・・・・管理者または監督者が通常有すべき技能の資格
1級及び 単一等級・・・・・上級技能者が通常有すべき技能の資格
2 級・・・・・中級技能者が通常有すべき技能の資格
3 級・・・・・初級技能者が通常有すべき技能の資格
技能検定には、特級、1級及び単一等級、2級、3級があります。
特級技能検定はその一番上で、技能士の最高位と言えます。
特級技能検定の受験資格
特級技能検定の受験資格について述べていきます。
厚生労働省の技能検定制度のページにこう書かれています。
受検する職種での仕事の経験年数(実務経験年数)によって受検できる等級が異なります。
○特級・・・・・1級合格後5年以上
○1級・・・・・7年以上
○2級・・・・・2年以上
○3級・・・・・検定職種に関し実務の経験を有する者
○単一等級・・・3年以上
引用元:厚生労働省ホームページより
特級を受験するには、1級合格後、5年以上の実務経験が必要です。
その前の段階の1級を受けるための受験資格が実務経験7年以上で、最短7年目で技能検定1級を合格したとしても
そこからさらに5年以上の実務経験をもってして、やっと特級技能検定を受ける資格を有する訳です。
特級技能検定の受験資格を得るためには対象職種の仕事をし始めて、最短でも「12年」はかかることになります。
特級技能検定の受験資格を得るだけでも、かなりハードルが高いと言えますね。
逆をいえば、特級を合格した人はそれだけの実務経験を持ち、
優れた知識・技能を有している証明になりますね。
特級技能検定に合格したときのメリット
特級技能検定に合格した場合のメリットについて述べていきます。
- 合格の賞状がもらえる
- 労働安全衛生法60条の「職長教育」が免除される
- 会社によって手当て(賃金加算、昇給等)が出る場合がある
- 職場内での視野が広がる
- 勉強して合格したことで合格者に対しての見方が変わる
- 自己肯定感の向上につながる
- 検定合格により自信がつく
技能検定合格のための勉強をすることで自身の知識・技能レベルの向上され、
合格すればそれが周りに周知・認知されたり技能検定合格によるメリットは多いです。
技能検定合格のメリットは多いね。
特級技能検定に合格したときのデメリット
特級技能検定に合格したときのデメリットを無理やり考えてみました。
- 一度合格すれば更新の試験や講習がない
- 任される仕事が多くなる場合がある
一度技能検定に合格すると、更新の試験や講習はありません。
これについてはメリットになるかもしれませんが、「技能検定に合格しているので、これぐらい出来て当然」などと
言われてしまう場面があるかもしれませんので、継続的に技能の維持・向上に努めていく必要があります。
さらに、技能検定合格により自身の技能・知識レベルが周知されることで、
新たな仕事を振られる場合があります。
特級技能検定合格によるデメリットを書いてみましたが、必要無いことですね。
そもそもすでに職場で活躍されている人が受ける検定になると思いますので、心配いりませんね。
2.特級技能検定の中身
今度は、特級技能検定の中身の部分です。
特級技能検定には、学科試験と、計画立案等作業試験の2つがあります。
それぞれ見ていきましょう。
学科試験の概要
特級技能検定の学科試験は、50問の五股択一法です。
五股択一法とは、5つある選択肢のうち、正解と思われるものを1つ選ぶ試験方法です。
選択肢の中から選ぶので、選択肢5つともまったく分からない場合でも、カンで正解も有り得るでしょう。
試験時間は2時間です。
学科試験の合格点
都道府県職業能力開発協会が実施する職種については、100点を満点として、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
引用元:厚生労働省ホームページより
厚生労働省ホームページによると、学科試験の合格点は65点以上です。
出題数50問なので、33問以上正解で合格となります。
計画立案等作業試験の概要
計画立案等作業試験というは、
工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理について問われる試験です。
出題方法が様々で、選択問題や虫食い問題、計算問題とあり、答案の仕方も様々です。
試験時間は、3時間です。
計画立案等作業試験試験の合格点
都道府県職業能力開発協会が実施する職種については、100点を満点として、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です。
引用元:厚生労働省ホームページより
厚生労働省ホームページによると、実技試験(計画立案等作業試験試験)の合格点は60点以上です。
各問題の配点は非公開となっている為、単純に6割正解で合格という訳では無いようです。
特級技能検定の勉強方法
ここからは特級技能検定受験にあたって、自らの勉強方法を踏まえて説明していきます。
非常に出題範囲が広く、参考書には難しい文字や単語が並んでいるので、なかなか勉強する気にはなれませんが、合格目指して頑張りましょう。
いつから勉強し始めたほうがいいのか
勉強し始める期間としては、試験日の3ヵ月前からがオススメです。
特級技能検定の試験日が1月~2月に行われるので、その前年の11~12月くらいからです。
勉強期間が長いと感じるかもしれませんが、試験範囲がとても広く、覚えるべき専門用語や計算方法が数多くあります。
1か月の詰め込みで何とかなるものではなく、短期記憶で覚えられる量ではありません。
長い時間をかけて、たくさんの単語、その意味や構造を長期記憶に落とし込む必要があります。
試験日まで残り2カ月くらいになると、焦って体調など崩しやすくなったりします。
↓↓ここから気を付けたいことを以下の記事に纏めていますので、参考にしてみてください。↓↓
使用する参考書
勉強する際は、参考書が必要になります。
オススメの参考書を貼っておきます。
文字だけでは無く、絵で分かりやすく解説してあるので、見やすい参考書です。
少し古くあまり売られているところを見かけませんが、個人的にはこれがオススメです。
どの参考書にしても大事なのは内容をしっかり読み、理解することです。
使用する過去問題集
私的には、「過去問の記憶と問題への理解」が一番大事だと思っています。
過去問題集といっても1冊で済むのではなく、1年ごとに1冊あり、古いものだとすでに売ってなくて、
入手が難しい年度もあってすべては揃いません。
職種ごとに過去10年分の過去問が載った本があればありがたいのですが、現在はありませんので、自らが地道に集めるしかないのが現状です。
現在売られている過去問題集をいくつか貼っていきます。(2023年9月16日現在)
売られている数が少ないので、見つけるのが大変です。
メルカリに古い年代の過去問題集が出ることもあるので、見ておきましょう。
勉強方法
ここが1番気になるところだよね!
特級技能検定合格のための勉強方法ですが、「とにかく過去問に取り組むこと」が重要です。
私自身が合格するために勉強していた経験として、これまでの試験内容は、およそ8割が過去問でできているように感じました。
年代はバラバラですが、いろいろな年代の過去問を8割抜き取って、その中にまったく新しい問題2割を混ぜて新しい年代の試験問題を作っていると推測しました。
合格点が6割以上ということも踏まえると、過去問さえ覚えておけば、それだけで合格できてしまうかもしれません。
もちろん、次の特級技能検定の試験がその通りになるかはわかりませんが、基本は過去問からできていると思いますので、
しっかりと覚えることが大切です。
勉強時間ですが、1日に何時間も勉強するより、すこしずつ毎日やっていく方が長期記憶に入りやすくなります。
ここが重要なのですが、過去問の正解だけを覚えるのではなく、問題にある他の専門用語なども一緒に覚える必要があります。
「間違っているものを5択から選ぶ問題」であれば、間違った1つの文があり、他の4つは正しい文章ということになります。
そういうふうにして、問題の正解だけではなくどこが間違っているかなども抑えておきましょう。
過去問を使った覚え方
誤っているものを答える問題の場合は、、、
【例題】
次の日程計画に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
イ 日程計画は、計画の対象となる工場、職場、機械などの大きさによって、大日程計画、中日程計画、小日程計画に分類される。
ロ 日程計画は、計画期間の長さ、計画の目的、対象によって大日程計画、中日程計画、小日程計画に分類される。
ハ 大日程計画は、期間生産計画ともいわれ、将来必要な設備、人員、資材の必要量を求める目的で立てられる。
ニ 中日程計画は、月度生産計画ともいわれ、必要な設備、人員、資材の入手時期を求める目的で立てられる。
ホ 小日程計画は、生産数量の確定した品種あるいは注文について、それぞれどの仕事をどの職場で、いつ開始して、いつ完了するかを計画する目的で立てられる。
「誤っているものはどれか」を問われている問題です。
この問題の正解は「イ」です。「イ」のどこが間違っているかをテキストなどで調べましょう。
そのあとに、「イ」が間違っているということは他の4つは正しいということなので、ほかの4つを丸覚えしましょう。
正しいものを答える問題の場合は、、、
【例題】
品質管理についての記述のうち正しいものはどれか。
イ 統計的手法より経営管理手法を重視する品質管理をSQCという。
ロ TQMでは社員の全員参加よりトップの強いリーダーシップが大切である。
ハ TQMでは製品やサービスの品質のみではなく、経営の質も大切である。
ニ ISO9001規格の認証登録はTQMの推進には不要である。
ホ クレーム処理と品質保証業務は明確に区分し、クレーム処理は品質保証体系には含めないことが望ましい。
「正しいもの」を問われている問題です。
この問題の正解は「ハ」です。「ハ」は正しいのでそのまま覚えましょう。
そのあと、他の4つは間違っているということなので、他の4つのどこが間違っているかをテキストなどで調べましょう。
こうして過去問を通して覚えていくことで、効率よく覚えていくことが出来ます。
これがオススメの勉強法になります。
勉強期間の注意点
適度に休憩を
普段の忙しい仕事・業務を行いながら平行して勉強するようになりますので、心と体にストレスがかかる場合があります。
私の場合、数多くの専門用語を覚えるために仕事終わりから勉強していましたが、疲労とストレスで蕁麻疹(じんましん)がでてしまいました。今思えば、少し追い込み過ぎてしまっていたと反省しています。
頑張ることは大事ですが、体に異常が現れるほどに無理をしてしまうと仕事に支障が出て勉強どころではなくなってしまいます。
適度に休息をとり、効率よく勉強していく必要があります。
休息の必要性については下記の記事をご覧ください。
気分転換に運動を
テキストや過去問とひたすら向き合っていると、集中力が続かずになかなか勉強が進まないことがあります。
そんなときは軽めの運動で少し体を動かしてみましょう。
ペットから癒しを
ペットなどがいたら日々の疲れを癒してくれます。
忙しい中勉強しないといけないので、手のかかりにくいメダカ飼育をオススメします。
試験の準備
試験当日になると、その日の朝に勉強しても、もう遅いです。覚える作業は、前日までにしておきましょう。
ここまできたら、自信をもって試験に挑むことが大切です。
前日はしっかり睡眠をとる
まだ覚えきれてないからと、一夜漬けのように夜遅くまで勉強しないようにしましょう。
しっかりと睡眠時間をとり体調を整え、当日フル回転できるように脳を休めましょう。
試験会場に早めに行く
試験会場が普段行かないような場所であることが多いと思いますので道に迷って試験時間に遅れることがないよう、
余裕をもって会場に着くようにしましょう。
試験時間前にはトイレに
試験時間が長いので、試験前にはトイレに行っておきましょう。
試験中に気を付けること
試験が始まると、大勢が一斉にペンを走らせます。
焦ってしまいがちですが、落ち着いて問題に向き合うようにしましょう。
終わった人から退室
開始から30分経つと、終わった人から退室していきます。
ここも焦りやすいですが、集中しましょう。
回答を終えたら
すべての問題に解答し終わっても、すぐに退室せず、自分が書いた回答と、問題がズレていないか確認してください。
特に学科試験の解答方法がマークシート方式なので間違えやすいです。
1度は見返してから退室しましょう。
さいごに
特級技能検定の勉強方法、受験にあたってのコツを述べてきましたが、やはり試験範囲が広く、難しい試験だと思います。
難しい試験である分、合格できたときの喜びは大変大きいものですので、受験される人がおられましたら是非頑張ってみてください。応援してます。
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